丘に登り、ヤローのエッセンスを作成している間、厚くもこもこした雲が低く張りつめていました。その厚い雲にまるで包まれ、守られているようでした。
人間として成長し、日々この世界を生きていく為に必要な課題の一つは『自分なりのバランスが取れた境界線を築きあげること』だと思います。周囲のエネルギーを完全にシャットダウンする必要性も時と場合に多々ありますが、ヤローのエッセンスの特性、そしてキーワードは、
周囲のエネルギーと調和を取り、不必要なエネルギーに影響されないこと。自分自身が自分に取って唯一のプロテクションであり、自分自身が境界線を作る源になる事です。
オレゴン州のHerb Pharm/ハーブファーム (http://herb-pharm.com/) という有機薬草農場でインターンとして勉強していた時のある満月の日、数人の女性の仲間たちとエッセンスを作ることになりました。
9月の収穫月の満月。ハロウィンまで後1ヶ月という秋の山野や農場は、その匂いや色や空気がミステリアスでもあり、色々な食べ物を得ることができる実りの時期で、独特のエネルギーが流れていました。私はご先祖さまたちのスピリットと近くなる日本のお盆の時期を想い出していました。仲間たちと話し合い、それぞれが個々に繋がりを持つ薬草やお花を摘んできたり、鉱石を持ってきたりして、エッセンスを作る準備を進めていました。
仲間のある女の子が私の所に近づいてきました。
『目に見えない植物の波動の力が、どうやって水に転写されるのか、全く理解で
きない。エッセンスっていったい何?!』と問いかけてきました。
『大きな何かの力と大自然の不思議なパワーが働いているから、私たち人間の理解を超えているの。だからわたしも何処でどうなっているかはわからないし、頭で考えて、言葉では説明をしきれないのよ。でもね、大丈夫だよ。植物がその物のメディスン
(教えや力)をそのままの生き様で教えてくれるよ。』
と、聞く人によっては意味が有りげで無いような、怪しい?!事を彼女に伝えました。
心の中で、うまく伝わったかな?!と少し不安でしたが、何時も最終的にお導き
任せの私は、『うん、なるようになる。後は自然の導きに委ねて任せよう。きっと彼女は理解してくれるはず』と感じました。
その彼女は皆がエッセンスを作り始めて、しばらく経ってから来ました。
『ヤローを採ってきたよ。どうやってエッセンスを作るの?』
と、問いかけてきたので一緒に用意を始めました。
皆の同意で個々に用意したそれぞれのエッセンスのボールを、満月の光のエネルギーを入れる為に一晩外に置く事にしました。
なめらかに光を注ぐその満月に向かい、皆で意識を会わせてエッセンスを作る意図を、月と大きな力に伝えました。
その夜は、想像以上に冷え込みました。
次の朝。
広いキッチンで寝起きの仲間たちと朝食を作りながら、お茶を飲んでいました。
ヤローのエッセンスを用意した彼女が、慌てた様子で走ってきました。
『ねえねえ!すごいことになっているから、見に来て!』
私は何事かと思い、彼女と外に出ました。
他の仲間がボールを置いた所よりも、彼女は畑に近く、
家から離れた所にボールを置いたようでした。
小走りにエッセンスのボールへと向かい、Yarrowと水が入ったボールを覗き込むと、前夜の冷え込みの為にその水が凍っていました。
なんと、よく見たら、水の結晶が何層にも重なって、ノコギリのようにギザギザになり、ヤローの葉とまったくといっても良い位、同じ形になっているのです!ヤローの特性その物が、その水に転写されていたのです!
ほかの仲間たちの水は、凍っていても結晶にはなっていないのに。
彼女と私は唖然として、無言のままそのボールを覗き込んでいました。
しばらくして彼女が、
『エッセンスって、こうゆう物だったのね。すごい。よく理解できたー。』と
しみじみと私に言いました。
しばらくして彼女に、写真を撮っておく?と聞くと、彼女は、
『ううん、大丈夫。写真に残しておくより、心の中に残した方がいいから。』
と答えました。
エッセンスを作ろう!と言い出しっぺの私が彼女に説明する事は、何一つありませんでした。
ヤローその物の在りのままが、その存在の理由を説明していました。
その特性と共に、彼女が心でヤローから受け取ったメッセージは、彼女だけへの特別なメッセージだったのでしょう。そして、私自身にとっても、ヤローは深い学びのメッセージを与えてくれたのです。
0 件のコメント:
コメントを投稿